
むかしむかし、あるところに宇宙船が、飛んでいました。
この宇宙船は、月にある国際宇宙研究所で建造された最新鋭の宇宙船で、光を圧倒的に超える速さで航行する事ができる世界初の宇宙船でした。
この宇宙船は、宇宙のかなたの調査の為、月から発進したのです。
月から出発して、数十年後、いままで一度も鳴らなかった赤いサイレンが鳴り始めました。
すでに宇宙船の前方と側面には真っ黒い闇が広がっているだけで、後方に無数の星が輝いています。
彼は、長い睡眠から目を覚まし、レーダーを確認しました。
前方に巨大な壁があるのが確認できますが、目視確認するも、前方は暗闇で何ひとつ見えません。
かれは、レーダに映っている障害物の手前で宇宙船を止めました。
彼は、宇宙服に着替え、船の外に出てみる事にしました。
前方に進むとなにかにぶつかりました。触れてみると、それはまるで壁のように平面でした。
かれは、驚き、ヘッドライトで壁を照らしてみるも、光が照らし出されません。
この黒い壁は、光を吸収してしまうようです。
彼は、手でその黒い壁をこじ開けてみました。
そうするとできた穴から光が差し込んできました。
のぞいてみる、そこには巨大な研究室らしき場所が映っていました。その部屋は、銀色で、何かの機械の音が聞こえますが、そこにはだれもいないようでした。
彼は、とても驚きました。
彼は、宇宙の外に別の世界がある事を世界で始めて知ったのです。
彼は急いで、宇宙船に戻りました。
これから月に戻り、見たことを、まだ気づいていない世界の人たちに伝えようと思ったのです。
彼は、月に戻る為、月帰還マニュアルを取ろうとしました。しかし、マニュアルが置いてある場所を見たところ、見たこともない本が一冊だけ置いてありました。
表紙には「ストーリータイム 雲の上のお店」と書かれていました。
船内をすべて探しましたが、月帰還マニュアルが見つかりません。かれは、焦りました。
かれは、もしかしたらその本に月に帰還する手順が書いてあるかもしれないと思い、読んでみる事にしました。